まずは相手女子デンマーク代表についてです。
女子デンマークと言えばオリンピックで3連覇をした強豪でみなさん印象深いと思います。
これまでの主要国際大会でのデンマークの結果です。
◇オリンピック
1996アトランタ五輪―優勝
2000シドニー五輪―優勝
2004アテネ五輪―優勝
◇世界選手権
1962ルーマニア大会―準優勝
1993ノルウェー大会―準優勝
1993オーストリア、ハンガリー大会―3位
1997ドイツ大会―優勝
◇欧州選手権
1994ドイツ大会―優勝
1996デンマーク大会―優勝
1998オランダ大会―準優勝
2002デンマーク大会―優勝
2004ハンガリー大会―準優勝
と90年代以降は抜群の強さを発揮していた強豪です。昨年の欧州選手権では4位になっています。
はっきり言って日本とは格が違います。
ちなみに日本はデンマークとは1999年の世界選手権(デンマーク、ノルウェーの共催)でグループリーグで対戦し
デンマーク 28 (13- 8, 15- 7) 15 日本
で負けています。デンマークは連覇を目指しましたが5位、日本は17位で大会を終えています。
参考 wiki-1999 World Women's Handball Championship
http://en.wikipedia.org/wiki/1999_World_Women%27s_Handball_Championship#Group_C
今大会のグループリーグでの試合は5戦5勝で勝ち上がってきました。
OF、DFでのデータをまとめてみました。
まずはOFから。日本と比較で見やすいように表にしました。

FBはFacebookではなく速攻です。BTはブレイクスルー。
これを見ると決定力の差が出てますね。約10%。1試合だいたい50本ほどシュートするので同じ本数なら単純に5ゴール差が生まれてしまいます。ただしこれはOFのみを考慮した数値です。
また日本とデンマークで大きく差が出てるのがFBの速攻の数値。
日本は5試合で23得点。デンマークはなんと58得点!倍以上です。得点比率も約4割と非常に速攻の割合が高いです。日本にとって思い出されるのは初戦のフランス戦の速攻地獄。5点ビハインドで終えた前半。後半開始早々に日本の攻撃がうまくいかずフランスに畳み掛けられ一気に試合を決められました。結局この試合19点差をつけられた日本。速攻を12本も決められました。日本としては同じような展開は避けたい所です。
次に失点についてです。

DFTはダイレクトフリースローです。
OF以上にDFでは差が出ています。
なんといってもデンマークの失点少なさに驚かされます。5試合でわずか78失点は驚異です。日本はグループ4位通過という事もありますがデンマークのちょうど2倍の156失点。1試合ですと約31失点。多い・・・
特に日本で失点が多いのは6mからの失点。全体の約4割の失点になります。
ポストから入れられる事が本当多いです。それはDFで0-6の低い状態からどんどん前に出るアグレッシブなDFだからという事もあります。中央の4枚が前に出たスペースを外人ならではの長身選手で突いたり、またフローターやサイドからフリーランでポストに入ってきて受け渡しのミスでフリーなどが本当に多いです。このレベルになるとポストから連続で外すという事はそうそうありません。失点を減らすにはまずここは要注意だと思います。
なにより相手は日本より確実に大きい選手をポストに使ってくるので変に絡んでいくと退場が増えてしまいます。自分達で自分達の首を絞めるような事は避けたいです。
デンマークのOFデータを見る限り若干9mからのシュート確率が低いので打たれたのでく打たせるDFが有効かもしれません。
DFと絡めてGKのセーブ率のデータもまとめました。

DFの表のB'は被シュート数、GKの表のB''は枠内シュート数なので被シュートから相手のミス、バー、DFのシュートブロック等の数を引いた数字になります。
それにしてもデンマークのGK陣のセーブ率は異常なほど高いですね。全体で40%後半とは…
失点の少なさにうなずけます。実はデンマークのGKのSandra ToftとKarin Mortensenの2名は予選ラウンドでもっともセーブ率が良かった2人なんです。3人とも多く出てるからってこんな事あるんですね。
デンマークGK陣本当にどこからのシュートもセーブ率が高いです。これだけ高いとDF陣からの信頼も厚いと思われます。特に16番Karin Mortensenは34歳の代表試合数200を越える超ベテランGK。シドニー五輪の時から代表に入っているらしいです。
さてここまでデータでまとめてきました。
自分はデンマークの試合はほとんど見れてませんので本当にこのようなデータが有効なのかまったくわかりません。
ただデータからベストの攻め所、守り所を考えたいと思います。
まずOF
①左サイドからの攻撃これはこれはズバリWing攻撃つまりサイドからの攻撃がベストだと思います。
日本のサイドは大半が左上町、右早船の二人です。上町はサイドシュートに限っては9/13となかなかいい数字を残しています。早船は4/13なので確率的には上町メインの攻めがいいかと思われます。
実はデンマークのDFの表にあるWingの欄は左右の合計の値で9/21なのですが左サイドに絞ると9/13と右より左のほうが圧倒的に失点が多いです!なのでここで5点〜8点ほど取ってもらいたいです。
②カットイン、7mTポイントは相手のDFにいかにカットインをもっていけるかだと思います。日本の小気味いいステップは欧州や他の大陸の大型選手はかなり手こずってる感じがします。その中でキーマンが石立。彼女のカットインで得点、ペナルティスロー獲得で今大会まだ7mTのミスが無い藤井に決めてもらう。7mTなら相手の得意な速攻はないと思います。またカットイン警戒でDFが横ばかりに意識が行きだしたら東濱や藤井のディスタンシュートで点を稼ぐのがいいと思われます。
③とにかく自分たちのミスのターンオーバーを減らすとにかくこれは相手の速攻を減らす為に絶対必要だと思います。TOをした時点でかなり不利な状況ですのでまずはその状況を無くしシュートまで持っていく事が大事です。前述のとおりシュート確率は日本のほうが低いです。ですが本数を多くしたらもしかしたら日本のほうがリードするかもしれません。そういった点もあるのでミスを減らしシュートまで持っていく。簡単そうな事ですがものすごく難しいです。
続いてDF
④ライン際を開けない、退場の回数を減らすこれも簡単に言ってますがとても難しいと思います。ただ先ほども述べたように6mからねじ込まれるシュートはどうしても確率が高いです。それに退場までついてきたらたまったもんじゃありません。なのでこの試合はいつもより1歩前に出るのでなく1歩下がって後ろも見れますよという雰囲気を出したほうがいいかもしれません。
力の差が大きいので退場は絶対だめ!つねに6人で戦える状態でないと厳しいと思います。
⑤なるべく9mから打たせるやはり実力差がるならここから打たせるのがいいと思います。どうしてもサイド、ポストは確率が高くどんどん決められます。9mからならどんなに強くても60%前後ぐらいの決定率が最高だと思います。
デンマークは4割を切っているのでここが狙い目かと。いつものように前に前にばかりの意識でなくプレッシャーを与えて打たせて取るという考え方が必要かもしれません。
デンマークは2大会後の2015年の地元開催の世界選手権に照準を合わせているのか若いメンバーが多いです。勢いに乗せると怖いです。18番のLouise Burgaardなんて昨年世界ユースで活躍してた19歳ですからね。それでも2時間40分以上出場し15/18と素晴らしい成績を残しています。こういうメンバーが途中から出てきて1本目のシュートを気持よく決められると一気に勢い付いてきます。それだけは避けたいです。
と素人に毛の生えたような感じの人物が勝手に考えた結果がこれだと思います。
とにかく速攻をさせない!これでロースコア(23点ぐらいかな)に持って行きたいです。
もう一度試合時間の確認で
日本時間12日28:15からです!お忘れなく!勝てばジャイアント・キリングだ!
ではまた。
参考データ
http://ihf.info/files/CompetitionData/121/PDF/JPNTOTAL.PDFhttp://ihf.info/files/CompetitionData/121/PDF/DENTOTAL.PDFhttp://ihf.info/files/competitiondata/121/pdf/TOPGK.pdfhttp://en.wikipedia.org/wiki/Denmark_women%27s_national_handball_team
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